タオルケットは英語じゃない?日本語では?その歴史まで解説!




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夏の夜に大活躍の寝具といえば、タオルケットですよね。

私も子供の頃、どんなに暑くても寝冷え防止にタオルケットをお腹に掛けるよう言われていました。

 

そんなタオルケットですが、英語じゃないって知っていましたか?

実はタオルケットは和製英語なんです。

 

では、タオルケットは英語で何と言うのでしょうか。また、タオルケットを日本語で伝えるならどう言えばいいのでしょうか。

 

そんなあなたの疑問を、タオルケットの歴史を見つめながら解決します!

 

 

タオルケットを英語で言うと?

「タオルケット」という和製英語は、「towel(タオル)」と「blanket(毛布)」を合わせた言葉です。

つまり、タオルケットは「タオルの毛布」です。

 

ですから英語にするとしたら「a blanket made of toweling(タオル地で作られた毛布)」や「toweling blanket(タオル地の毛布)」、「towel blanket(タオル毛布)」となります。

また、綿で出来ているなら「cotton blanket(綿毛布)」と呼ぶこともできます。

 

なんでこんなにたくさんの英語表現があるのだろうと疑問に思いませんか?

 

そう、実はアメリカやイギリスに「タオルケット」はないんです!

 

タオルケットは日本独自のものなので、アメリカに住む日本人が「タオルケットが手に入らない!」と嘆いているブログ記事もちらほら見かけることができるほど、アメリカでタオルケットは入手困難なのです。

 

タオルケットに似たものとして、海やプールで使う「beach towel」があります。

けれどこれは、ビーチやプールサイドで寝そべるときに敷いたり、身体を拭いたりするためのもの。

これをタオルケット代わりにするアメリカ在住の日本人もいるようですが、あくまでタオルなので、日本のタオルケットのように眠るときの肌触りを重視したものに出会えるかといえば、あまり期待できません。

また、アメリカ人から見ると「どうしてタオルで寝るの?」と不思議に感じるようです。

 

ちなみにイングランドでは、こういった大きなタオルを「bath sheet」と呼ぶ地域もありますが、もちろん用途はタオルとしてです。

 

 

タオルケットの歴史

 

そもそも「タオルケット」とは何かといえば、前述のように「タオルの毛布」です。

ではなぜタオルケットが生まれたのでしょうか。

 

日本にタオルが入ってきたのは、明治初期のこと。

それまで日本で手や顔を拭くために使われていたのは手拭いで、通気性や保温性が高く肌触りの良いタオルはとても高価なものでした。

そんな高級品ですから、当時の日本では、タオルは襟巻きや首巻きとして使われていたのです。

 

輸入品しかなかったタオルですが、やがて日本での生産も始まり、20世紀に入ってからタオル作りはどんどん盛んになりました。

それまでタオルが高級品だった庶民にも、国内での生産流通のおかげで「手や顔を拭くもの」としてタオルが浸透し始めて、さらにはタオル地のガウンなども生産され、ついには寝具にも使われるようになったのです。

 

タオルは通気性が良いだけでなく吸水性も高いので、熱帯夜で汗をかくほど蒸し暑い日本の夏には、タオル素材はぴったりの寝具でした。しかもタオルですから、丸洗いすることができます。

 

そして1960年頃、タオルケットは今のような形になりました。

 

 

まだ脱水までできる全自動洗濯機がない頃から、タオルケットは日本で愛され始めたのです。

 

 

タオルケットを日本語に直すと?

 

日本で生まれた「タオルケット」は、「タオル地の毛布」を一言で表すために日本で生まれた言葉です。

ですから、カタカナを使わないなら「タオル地の毛布」と表現するのが一番正しい言葉です。

 

タオルケットが生まれて現在のような形になったのは、1960年頃。

ですから、タオルケットは高齢者にはまだまだ馴染みのない言葉です。

 

では、高齢者はどう呼んでいるかというと、戦後間もない頃に生まれた私の母やその親族は「夏掛け」と呼んでいました。

冒頭に書いた子供の頃に言われた寝冷え防止の言葉は「お腹が冷えるから、ちゃんと夏掛けを掛けて寝なさい」だったのです。

 

といっても、厳密には「夏掛け」と「タオルケット」はイコールではありません。

夏掛けは夏用の薄い掛け布団を指すので、タオルケットだけを指す言葉ではないからです。

「肌掛け」という薄くて軽い布団もありますが、こちらもやはりタオルケットとはイコールにはなりません。

 

やはり日本で生まれた「タオル地の毛布」を指すために日本で生まれた言葉が「タオルケット」なのですから、他の言葉で簡単に表現するのは難しそうですね。

 

どうしても「タオルケット」という言葉に馴染めない高齢者には、「タオル地の毛布」や「タオルの毛布」、「タオルの夏掛け」「タオルの肌掛け」という言葉を使うとわかりやすいですよ。

 

ちなみにガーゼでできた「ガーゼケット」なるものもありますが、もちろんこれも和製英語です。高齢者には「タオルケット」以上にわかりにくいので、気をつけてくださいね。

 

 

まとめ

  • タオルケットは英語で言うと「a blanket made of toweling」「cotton blanket」など
  • タオルケットは蒸し暑い日本の夏の夜を快適に眠るため日本で生まれたもの
  • タオルケットは日本にしかない言葉で、日本語にするなら「タオル地の毛布」など

 

タオルでできたブランケットを「タオルケット」と呼ぶように、和製英語には「キルトケット」「ガーゼケット」「ダウンケット」など、たくさんの「○○ケット」があります。

 

今タオルケットに包まって眠る赤ちゃんが大人になる頃には、もっとたくさんの「○○ケット」が誕生しているかもしれませんね。

 

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