デニムとジーンズとジーパンの違いは!?どれが正解?その歴史は?




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普段着として、男女問わず人気のジーンズ。

私もいつも愛用していて、私のジーンズ以外の服装を見た人はここ数年いないんじゃないかと思うほどです。

 

このジーンズ、今は私もそう呼んでいますが、かつては「ジーパン」と呼んでいました。

さらに周囲の言葉に耳を傾けてみると、「デニム」なんて言ってる人たちも。

「デニム」「ジーンズ」「ジーパン」、違いはどこ!?

 

そんなあなたの疑問にお答えすべく、ジーンズの歴史までまとめて解説します!

デニムとジーンズとジーパン、どれが正解?

 

どれを使えばいいのかといえば個人の自由になってしまうのですが、正解とするものがあるとすれば、「ジーンズ」が最も正解に近い表現ではないでしょうか。

というのも、英語圏では「ジーンズ」が一般的なのです。

 

デニムは若い世代やファッション業界で使う人が多い呼び方ですね。「デニムパンツ」という使い方もします。

 

ジーンズは、若い世代から30代、40代あたりまでで使われているようです。

とはいえ「ジーパン」を使っている層も、決して少なくありません。

 

言葉の意味でいえば最も「間違い」に近いのは「デニム」ですが、下着を「パンツ」と呼ぶことが日本で定着しているのと同様に考えれば、間違いとは言い切れませんね。

では、これらの違いは何でしょうか。

 

 

デニムとジーンズとジーパンの違い

 

言葉の意味でいうと、ジーンズ≒ジーパン≠デニムです。ちょっと複雑ですね。

 

デニムとは、生地のことです。

 

フランス南部のニームという地方で生産されていた厚手の綿素材の生地で、インディゴ染めの縦糸と、染めていない横糸とで綾織りにされたものです。

 

この「ニーム産の綾織物」を指す「Serge de Nîmes(セルジュ・ドゥ・ニーム)」から、「デニム」という言葉が生まれたといわれています。

ですから単に「デニム」といえば生地のことで、スカートでもジャケットでもデニムですし、なんと最近は、デニムのビスチェを取り入れたウェディングドレスまであるんです。

 

私は「ジーパン」世代ですが、昭和でもデニム地のスカートはそのまま「デニムのスカート」と呼ばれていました。

「デニム」という生地の呼称は、ちゃんと昔から日本に浸透していたんですよ!

 

一方ジーンズは、日本ではデニム生地のことを呼ぶこともありますが、英語圏では一般的にデニムのパンツ(長ズボン)を指します。

 

ニーム産のデニムが輸出されたイタリアのジェノヴァ「Genua」はフランス語で「Gêne」だったのですが、これが英語圏で「jean」になったわけです。

 

そういう経緯があるので、英語で「jean」といえばデニムと同じ意味です。

そして、英語では脚に着用するものを複数形で呼びます。「pants」や「shoes」などもそうですが、右足と左足とで一対と考えるため、「jean」で作った長ズボンを「jeans」と呼ぶのです。

ですから、デニムのジャケットは複数形ではなく「jean jacket」となります。

 

ちなみに日本ではjeansのことを「デニムパンツ」と呼ぶこともありますが、英語圏ではまず使いません。

 

 

最後にジーパンですが、お察しのとおりこれは完全な和製英語です。

「ジーンズパンツ」を略して「ジーパン」となったという説と、GI(アメリカ陸軍兵士)が穿いていたパンツということで「Gパン」と呼ばれるようになったという説がありますが、デニムのジャケットに「ジーンズジャンパー」の略として「ジージャン」という呼び名があることを考えると、「ジーンズパンツ」の略というのがしっくり来ますね。

 

英語のまま「jeans」だけで良かったはずなんですが、「ジーンズ」を生地と解釈した上で「パンツ」を付けてしまったのは、まだ戦後間もない日本人には難しかったのかもしれませんね。

何しろ「フルーツ」「スポーツ」「シーツ」のように、なぜかカタカナ英語は複数形にしたがる時代に輸入された言葉ですから。

 

 

ジーンズ(ジーパン)の歴史

 

もともとジーンズは、アメリカの鉱山で働く人の作業着でした。

19世紀、ゴールドラッシュの時代に、作業着がすぐに擦り切れてしまう悩みを解決すべく生まれたのが、キャンバス地のズボンです。

この生地がのちにデニムになり、ジーンズが生まれました。

つまりジーンズは、鉱夫の作業着としてその歴史を歩み始めたのです。

労働者の作業着となったジーンズは、畜産業に従事するカウボーイにも広まってゆきました。

 

戦後になると、「乱暴者(あばれもの)」「理由なき反抗」などのハリウッド映画で不良の主人公がジーンズを穿いていたことから、アメリカの若者たちが影響を受けて、ジーンズは若者の間で人気のファッションとなりました。

日本のいわゆる「ツッパリ」少年たちが派手な刺繍の入った学ランを着たり、「ドカン」や「ボンタン」と呼ばれる学生ズボンが流行したりしたのと同じような感覚かもしれませんが、アメリカではジーンズが「反抗的な若者のファッション」として象徴的なものになったのです。

 

そうしてジーンズは、作業服ではなくファッションアイテムとして普及し始めました。

日本にも第二次世界大戦後、アメリカから来たGIたちがジーンズを穿いていたことから古着が普及し始め、やがてアメリカからの輸入も始まりました。

はじめは日本でも「不良のファッション」と受け取られていたジーンズですが、時が流れるにつれてカジュアルファッションの代表格になっていったのです。

 

まとめ

 

  • デニム、ジーンズ、ジーパン、「正解」と呼べるのはジーンズかジーパン
  • デニムは生地、「jeans」は英語でジーパンのこと
  • ジーンズは作業着→不良のファッション→カジュアルファッションへと変化した

 

日本でも戦後から長く愛され続けているジーンズ。

とても身近なファッションアイテムとして、これからも愛され続けていくこと間違いなしですね。

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