毎年、夏になると浴衣を着て、お祭りに花火。
そして家族の決まり行事として七月七日、父が笹竹をもらって来ては、短冊に願いとたくさんの飾りつけを楽しみ、母が流しそうめんや可愛く星の形をした夏野菜の料理をしてくれ、楽しかった事を思い出します。
色のあるそうめんは五色の短冊と同じように陰陽五行説の五色(ごしき)に由来する厄除けの意味が込められているんだよと母から聞かされていたものです。
その意味が分かった時は随分と後になってしまったのですが、実際あまり知られていないみたいですね。
七夕にそうめんの意味って何?
改めて七夕にそうめんを食べるのはなぜでしょうか?
その理由を理解するためには少し歴史をみていく必要があります。
七夕は中国から伝えられた行事で、中国では「索餅(さくべえ)」という小麦粉と餅粉を練って縄の形にして揚げてあるお菓子で病除けを願って食べるという習慣があります。
中国の故事によると、皇帝の子供が七月七日になくなり、霊鬼神となって高熱が出る病を流行らせたという言い伝えがあります。
流行病を鎮めるために皇帝の子供が大好きだった索餅をお供えして「健康で元気に過ごせます様に」と願い、その風習が日本にも定着されたというわけです。
索餅は今でも長崎県に伝えられている「麻花兒(マファール)」という郷土菓子と類似するものだったと思われます。索餅ってどんな味だったと思います?
私はさすがに「索餅」を食べたことはありませんが、「麻花兒」はあるんですよ!
一言でいうと、カンパンよりはるかに硬い!!(笑)
でも、ゴマの風味がしてうっすら甘みを感じました。
七月七日、一年間無謀息災で過ごすことできるという言い伝えを信じて索餅を食べる習慣となったみたいですが、ものすごく硬くて子供などは食べにくかったということもあり、別名「索麺」とも呼ばれ、時代の流れとともに食べやすくて舌触りの良いそうめんを食べるようになったそうです。
そうめんを七夕に食べる由来はもう一つある!
実はそうめんが七夕に食べらるようになった理由はもう一つあります。
それは七夕伝説によるものです。
機織りが上手で働き者の織姫が天の川の向こう岸にいる牛使いの彦星と巡り合えたものの、恋に夢中になりすぎて働くことを忘れてしまったのです。
これはよくないと思った織姫の父は二人を引き離してしまうのですが、一年に一回だけ会うことを許します。
七月七日に雨が降ると天の川が増水して渡る事ができないので、「カササギの群れ」が橋渡しをした「架け橋を造る鳥」として伝説に残っています。
確かに遊びに夢中になって、肝心な仕事を後回しにした経験ありますよね!
よーく気持ちがわかります。
二人は、一年に一回、七月七日のために毎日頑張ったんでしょうね。
そうめんを七夕の夜に織姫と彦星が出会う「天の川」に例え、また、織姫にあやかって女の子の裁縫が上達するようにという願いも込めて糸に見立てたそうめんを食べるようになったと言われています。
そうめんって涼しさを感じながら食べたり、体調が悪くて食欲がないとき、
そうめんだったら食べれる気がしませんか?
体力をつけるために食べるイメージしか思い浮かばなかったのですが、深い意味が込められていたことに今更ながら行事食にも起源や由来があり、七夕にまつわる文化と歴史の豊かさに惹かれます。
七夕そうめんの盛り付けはどうする?
さて七夕そうめんの歴史と由来を検索しているあなたは、きっと七夕にそうめんを食べるに違いありません。
そんなあなたに、七夕らしいそうめんにアレンジされた七夕レシピを紹介したいと思います。
そうめんを天の川に、オクラやニンジンなどを星型にして星に見せて可愛らしく色鮮やかに子供が喜びそうな一品にピッタリですね。
「小麦は毒を消す」といった言い伝えと季節の野菜を取り入れて健康を願い、そうめんを行事食としたのはかなり奥深い意味のあるものだと思います。
お中元にそうめんを贈られる家庭が多いのは単純に夏に食べるものだからと思っていましたが、それだけではなかったんですね。
また、七夕は畑作の収穫祭という意味もあり、麦の実りや、ナス、キュウリといった夏野菜の成熟を祝い、神とその恵みに感謝する行事でもあると言われてます。
七月七日はそうめんの日
七夕にそうめんを食べることはお分かりいただけたかと思いますが、七夕の日がそうめんの日なのって知ってますか?
七月七日の行事食として全国で知ってもらうことを目的に全国乾麺協同組合連合会では、昭和五十七年から七月七日を「そうめんの日」と定めました。
そうめんを七夕のお供え物として使うようになったのは平安時代とのことですが、
今でも続いている食文化を守っていきたいですね。
七夕に様々な願いとその行事食に込められ、色んな地域で言い伝えとして今でも毎年の行事として祭り、これからも長くそうめんを食べる習慣をみんなで語り継がれながら続いていけますように。
まとめ
- 「健康と病除」を願って食べる索餅から、食べやすいそうめんに。
- そうめんを天の川に見立て、七夕の歌詞にある「五色の短冊」に祈願し、楽しい七夕に。
- 豊富なレシピで簡単七夕そうめんで今年の夏も暑さに負けず乗り越えていきましょう。
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