七夕の星座と天の川はどの位置?おすすめの時間や星空と神話の関係は?




この記事の所要時間: 619

七夕といえば、星空に浮かぶ星座や天の川ですね。

星空を眺めながら七夕の物語に思いを馳せてロマンチックな時間を過ごしてみたいと思う人は、私だけじゃないはず。

でも、星座や天の川の位置もわからないし、七夕の夜はなかなか晴れることがないし……なんてあきらめていたらもったいない!

せっかくの年に一度のイベントです。満天の星空に浮かぶ星座や天の川を眺めて、ロマンチックな夜を過ごしましょう!

 

七夕にまつわる星座と位置

七夕にまつわる星座は「こと座」「わし座」「はくちょう座」です。

といっても、ギリシア神話から生まれたこれらの星座には、七夕との直接の関わりはありません。

七夕の伝説は中国から来たものなので、「星官」と呼ばれる中国星座から生まれたものだからです。

 

とはいえ、今の日本で「星座」といえば西洋の88星座なので、わかりやすい88星座から七夕にまつわる星座を探す方が簡単で、一般的ですね。

 

七夕にまつわる3つの星座は、夏の時期は東から南東の空にあります。

7月は東、8月なら南東の方角を見上げてみましょう。

日没から1時間以上が経過した、20時から22時頃がわかりやすいですよ。

 

 

七夕の星座はベガとアルタイル、そしてデネブから

 

まずは夏の大三角形を見つけます。

夜空が暗くなってから東の空を見上げると、一際強く輝く星を見つけることができます。

それがこと座のベガ、七夕の織女星です。

東の空でいちばん明るい0等星なので、見つけやすい星です。

ベガのすぐ近くに、結ぶと平行四辺形になる4つの小さな星があります。

この4つの星とベガを合わせて西洋の竪琴に見立てたものが、こと座です。

 

ベガから右下の方を見てみると、強く輝く「わし座」の1等星、アルタイルがあります。

これが彦星と呼ばれる牽牛星です。わし座はわりと大きな星座で、アルタイルは鷲の背中あたりになります。

アルタイルを挟んで等間隔にふたつの星があり、日本では左右に犬を従えた犬飼いに見立てて「犬飼星」とも呼ばれていました。

 

さらにベガとアルタイルを結んだ直線を三角形の1辺として左の方を見ると、「はくちょう座」の1等星デネブが見つかります。

十字に並んだ星が白鳥に見えることから名づけられた星座で、「北十字星」とも呼ばれています。デネブは白鳥の尾になります。

デネブはアラビア語で「雌鶏の尾」という意味がある言葉なんですよ。

これらの「ベガ」「アルタイル」「デネブ」3つの星を結んだものが有名な「夏の大三角形」です。

 

七夕の星座と天の川の関係

ベガとアルタイルの間を、小さな光が集まって帯状に霞んだ光が隔てています。これが天の川です。

デネブは、織姫と牽牛が年に一度だけ会うための橋を架けるカササギです。北十字星がカササギの姿となり、天の川の上に橋を架けているのです。

 

夏の大三角形は3つとも明るい星なので都会でも見えますが、間を流れる天の川は明るすぎる都会の空では見ることができません。

でも、がっかりすることはありません。天の川を見るなら、街の光が届かない郊外に行きましょう。

 

 

七夕の星空を見られる時期と時間は?

毎年のように雨が降る7月7日。

それもそのはず、もともとの七夕は太陰暦という旧暦に行われていた行事です。

新暦の7月7日は、実は本来の七夕の日ではないんです。

 

旧暦の七夕は、現在では梅雨も明けている8月にあたります。

全国各地の七夕祭りで8月に催されるものが多いのも、旧暦七夕を基準にしているからなんですね。

最近では国立天文台が旧暦七夕を「伝統的七夕の日」として、当日は「伝統的七夕ライトダウンキャンペーン」を行って星空が見えるように呼びかけています。

2018年の旧暦七夕は8月17日です。

また、旧暦七夕は月の満ち欠けを基準としている太陰暦なので、必ず上弦の月になります。

だから織姫と彦星が七夕の夜に会うときは月の船に乗る、とする説もあるんですよ!

旧暦七夕の8月17日には月が夜半(午前0時)前に沈んでゆくので、月明かりに邪魔されず天の川を見ることができますね。

 

七夕の星座と神話の関係は?

日本で広く知られている七夕の物語は、もともとは中国の「牛郎織女の神話」からきています。そこに古来の日本の神事が合わさり、七夕になりました。

星空を支配する天帝が、機織りを得意とする織女という娘の結婚相手を探していたところ、牽牛という働き者の牛飼いがいると知り、このふたりを結婚させました。

ところが結婚すると、ふたりとも仕事を忘れて遊んで暮らすようになってしまい、怒った天帝が牽牛を天の川の東に、織女を天の川の西に引き離してしまいました。

するとふたりは仕事に戻るどころか、それぞれが悲しみに暮れてやっぱり仕事をしません。

そこで天帝は「真面目に仕事をするなら年に一度だけ会わせてやろう」と約束し、ふたりは年に一度だけ天の川にカササギが架けた橋を渡って会えるその日のために、真面目に働くようになったというのが牛郎織女の神話です。

 

いっぽう日本には古くから「棚機(たなばた)」という神事がありました。

秋の豊作を祈って神に捧げる神聖な織物を織る機械を「棚機(たなばた)」と呼び、その織物を織る清らかな乙女を「棚機津女(たなばたつめ)」と呼びました。

棚機津女が織った織物を神様に捧げる神事が「棚機」だったのです。

 

日本と中国にあったそれぞれの神話が合わさって7月7日が「七夕(しちせき)の節句」となり、七夕が生まれたんですね。

まとめ

  • 七夕にまつわる星座は東の星空にある
  • ベガとアルタイル、デネブを結んで夏の大三角形を見つける
  • ベガとアルタイルを隔てている天の川に橋を架けてくれるカササギ
  • 七夕の星空に星座を探すなら旧暦七夕の夜がおすすめ
  • 神話と神事が重なって生まれた七夕の物語 

 

七夕の星空に都会で星座や天の川を探すのは難しいけれど、伝統的七夕の夜に郊外へ出かければ星座や天の川を見られる確率が大きく上がります。

キャンプに出かけた夜に星空を眺めるのもよし、夜のドライブで星空観測に出かけてロマンチックに過ごすのもよし。

太古の物語に思いを馳せながら七夕の星空を見上げれば、いつまでも心に残る夏の思い出になること間違いなしですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です