みなさん。こどもの日がなぜ祝日なのかご存知ですか?
主に男の子の成長をお祝いする「こどもの日(端午の節句)」が祝日なのに、女の子の成長をお祝いする「ひな祭り(桃の節句)」が休みじゃないなんて変じゃないの?
そう思ったことありませんか?
子供の頃の私は「ひな祭り(桃の節句)もお休みにしてくれればいいのに!」と思っていましたよ。
そこで気になって調べてみると、そもそも「こどもの日」と端午の節句は別物だということが判明してしまいました!
今回は、こどもの日と端午の節句についてまとめていきたいと思います!
子供向けに説明する例文も作って見ましたので是非チェックしてくださいね。
Contents
こどもの日にはどんな意味があるの?
実は「こどもの日」は1948年国民の申請がきっかけで国民祝日法により制定されました。
その祝日法に「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに母に感謝する日」として制定されたと書かれてあります。
「こどもの日」は男女の区別なく、子供と両親のために制定された祝日なのです。
そんな「こどもの日」を、いつにするのか決める時に実は桃の節句である3月3日や新年度が始まる4月1日にする案も出ていたそうです。
ですが、3月や4月はまだまだ寒い地域もあるので「全国的に気候の良い5月5日にしましょう」となったのです。
「こどもの日」を5月5日に制定したことで、しばらくは「こどもの日」は男の子の成長をお祝いする日として親しまれていくことになります。
このため私のような「男の子のお祝いの日だけ休みなんてズルイ!」なんて勘違いする人間も出てきてしまうわけですね。
最近は、男女の区別なく子供向けのイベントが色々なところで執り行われたり、兄弟姉妹関係なくお祝いする習慣が根付いてきています。
そんな最近の「こどもの日」の姿こそが制定当初、国民が思い描いたであろう「こどもの日」本来の姿なんだと思います。
こどもの日はなんで端午の節句って言うの?
こどもの日と端午の節句は同じ日ではあるけど別物であることが分かりましたが「端午の節句」の「端午」ってどういう意味なんでしょう。
女の子の成長をお祝いするひな祭りの「桃の節句」は文字通り季節の花でもある「桃の花」の節句ですね。でも「端午」と聞いてもピンときません。
「端午の節句」は別名「菖蒲の節句」とも言われます。「菖蒲」は植物の菖蒲でとても分かりやすいですよね。
「端午」の「端」は最初という意味があります。「午」は十二支の「牛」のことです。
旧暦で5月は「牛の月」にあたり、なかでも5月最初の「牛の日」を「端午」と呼ぶのです。
ですので実は「端午は」5日と決まっていたわけではありません。
ですが「午」の音が「五」に通づることから5月5日を「端午の節句」と呼ぶようになりました。
ちなみに5月は中国で忌月とされ、邪気を払うと言われる「菖蒲」を門に掛け厄払いをする風習がありました。これが端午節として日本に伝わり宮中に広まります。現在、端午の節句に日本で「菖蒲湯」につかる風習があるのもこの厄払いの風習から来ています。
さらに日本では「五月忌」と言って女性だけが田植えの前に汚れを祓い身を清める儀式がありました。また、5月4日の夜から5日にかけて女性が家の半畳分ずつ、あるいは家全体を取り仕切る「女天下」の風習を持つ地域があり、5月5日の「端午の節句」と結び付けられていきます。
つまり日本に「端午の節句」が伝わった当初は、女性の節句でもあったのです。
こどもの日に鯉のぼりを立てる意味
こどもの日には、なぜ鯉のぼりを立てるのでしょう。
元々は将軍家に男の子が生まれると家紋の入った旗やのぼりが立てられたのが始まりだとされています。やがてその習慣が武士の間でも広がり、ついには庶民にまで広がっていきます。
庶民にこの習慣が広がる際に旗やのぼりは、鯉の形の吹き流し「鯉のぼり」になりました。
では、なぜ「鯉」なんでしょうか?
「端午の節句」は「菖蒲の節句」でもありますので武家社会になると「菖蒲」が「勝負」または「尚武」と結び付けられるようになり、男の子の立身出世が願われるようになります。
みなさんは「鯉の滝登り」ということわざを聞いたことはないでしょうか?
これは古代中国の「黄河上流の滝を登りきる鯉は登竜門をくぐり、天まで上り詰め竜になる」という故事が元となる言葉で立身出世することの例えです。
この故事から「鯉のぼり」は誕生しました。
そんな由来のある鯉のぼりに、体の大きい真鯉と体の小さな緋鯉があるのは歌にもあるように真鯉を父親に、緋鯉を子供に見立てたからです。
武家社会が終わりを迎え社会の在り方が変化していった頃、鯉のぼりに息子の立身出世ではなく家族がみんなが健康で健やかに暮らせるようにと願いを込められるようになっていったため、親子の鯉が誕生したのです。
こどもの日に兜を飾る意味
こどもの日に兜を飾るのも「菖蒲」が「勝負」や「尚武」と結び付けられたからです。また、菖蒲の葉の形が剣を連想させるためです。
しかし理由はそれだけではありません。
上にも書きましたが武家社会になると「端午の節句」は、男の子の節句としての色合いが濃くなり、やがて男の子の成長を祝い、健康を祈る日となっていきます。
さらには強く逞しく賢い大人になって欲しいとの願いが込められ祝われるようになりますが、強く逞しく賢い大人の象徴が武将=兜ということなのです。他にも鎧や武蔵坊弁慶を飾る家、健康な子供の象徴として金太郎を飾る家庭もあります。
様々ある五月人形ですが実は鎧兜も弁慶も金太郎も男の子を守るという意味合いが込められているのは共通しているのです。
今も昔も子を思う親の気持ちは変わらないのですね。
こどもの日の意味を子供向けに教えるときのポイント
たくさんの願いが込められている子供の日と端午の節句ですが、子供にはどういう風に教えてあげればいいのでしょうか?
あまりに情報が多く難しい言葉も多いので、子供にそのまま伝えるのは難しそうですね。なので子供の年齢に合わせて情報を絞り、分かりやすい言葉に言い換えながら伝えてあげましょう。
以上のポイントを踏まえて、幼い子供に教える場合と、小学生以上の子供に教える場合を考えてみました。
【幼い子供に教える場合】
こどもの日はね、子供たちが元気に大きくなったことを家族みんなで喜ぶ日だよ。
鯉のぼりは、お歌のもあるように鯉のお父さんと子供たちが元気いっぱいに泳いでるでしょ?だからあの鯉のぼりみたいに家族みんなが元気に仲良く暮らせますようにってお願いをこめて立てるのよ。
兜を飾るのはね、もともとは5月5日は男の子が元気に大きくなったことをお祝いする日だったの。だから、男の子が、これからもっと大きく元気に立派な大人になって欲しいってお願いをこめて飾るんだよ。
【小学生以上の子供に教える場合】
こどもの日は、子供が一人の人間として認められて幸せに暮らしていけるようにと願いを込めて、家族みんなでお祝いする日だよ。
5月5日は男の子の成長をお祝いする「端午の節句」と呼ばれる日でもあるんだよ。鯉のぼりは、鯉が滝を登ってやがて竜になるっていう中国の言い伝えをもとに作られた物で、男の子が竜のように立派な大人になれますようにって願いを込められて立てるんだよ。
大人の鯉と子供の鯉がいるのは、元気に泳ぐ鯉の様に家族が元気に仲良く暮らせますようにとの願いを込めているんだよ。
兜を飾るのも、男の子の成長をお祝いするためだよ。男の子が強く逞しく立派な大人になりますようにとの願いと、兜に男の子を守って欲しいとの願いを込めて飾るんだよ。
まとめ
- こどもの日にはどんな意味があるの?
- こどもの日はなんで端午の節句って言うの?
- こどもの日に鯉のぼりを立てる意味
- こどもの日に兜を飾る意味
- こどもの日の意味を子供に教えるときのポイント
小学生以上の子供に教える場合の例文は、低学年の子を想定して作りました。子供の学年や理解力に応じた言葉を使ったり、もう少し情報を付加してあげてもいいでしょう。
子供の頃、なんとなく見ていた鯉のぼり。今は3人の男の子母となりまた違った気持ちで街中を泳ぐ鯉のぼりを見上げます。
ちなみに私が嫁いだ地域は「鯉のぼりを立ててはいけない」という風習があります。義母は地元の人ですが、理由は分からないそうです。
「でも我が家だけ鯉のぼりを立てるのも憚られるでしょ?」と義母が言うので「それもそうだよな。それに鯉のぼりに特別思い入れがあるわけでもないし別にいいか」などと思っていましたが、長男が生まれて初めてのこどもの日、義母の家の玄関前に目立たぬように小さな鯉のぼりが立てられていました。
地域の風習の手前大きな鯉のぼりは立てられないけれど、孫が健やかに育ってほしいとの思いで「小さいのでもいいからせめて」と立てたそうです。
それ以来、義母の家の玄関前には毎年小さな鯉のぼりが泳ぎます。
兜は夫が子供の頃に毎年こどもの日に飾られていた兜です。義母から私が譲り受けました。今年も丁寧に磨いて飾りつけします。
親から子へ、子からまたその子へと受け継がれる思いの連鎖。何だか感慨深いものがありますね。
さあ、天を仰いで泳ぐ鯉のぼりの様に、伸び伸びと育てよ我が家の子供たち!
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