「ねえねえ、出身地はどこ?」
社会人になってから新たな出会いがあると、かなりの高確率で尋ねられます。
ひとつの場所で生まれ育った人には何の不思議もない質問だけど、親が転勤族だったり家庭の事情があったりで引っ越しを繰り返していた人にとっては、頭を悩ませる質問ですよね。
私も成人するまでに3回の引っ越しを経験していて、どこを出身地とすればいいのか悩んでいます。
さらにもうひとつ「出生地」なんていうのもあって、混乱は深くなるばかり。
そこで出身地の定義や出生地との違いについて、詳しく説明しちゃいます!
出身地の定義とは?
結論からいうと、明確な出身地の定義はありません。
「え、そうなの!?」と思ってしまいますが、だいたいの見解のようなものはありますので、そこを探っていきましょう。
「出身地」という言葉を辞書で調べてみると「その人が生まれた土地。また、育った土地。」となっています。
それが一か所じゃないから悩んでしまうわけですが、とりあえずは一般的に「生まれ育った土地」だというところまではわかりました。
でも、出生地の定義を調べている人にとっては、そんなことはわかりきっていますよね。
その「生まれ育った土地」が一か所じゃないから調べているわけです。
たぶん私のように、生まれたところと育ったところが違うというだけでなく、育ったところさえも何箇所もあるから悩むんだと思います。
では、どこを出身地とすればいいのでしょうか。
出身地の定義に関する国土交通省の見解?
インターネット上の情報を見ていると「国土交通省が『15歳まで育った中で最も長く住んだ場所』という見解を出している」という記述を見かけます。
この話の根拠を探そうとしたのですが、どうやら正式に見解として発表したわけではなく、国土交通省が首都圏在住者の出身地について統計を取る際に「15歳まで育った中で最も長く住んだ場所」としたことがあるだけの話のようです。
つまり、出身地の定義について法的な根拠はないんですね。
とはいえ、この「15歳まで育った中で最も長く住んだ場所」というのは、指標のひとつにはなりそうです。
15歳というのは、義務教育を終える年齢。それまでの期間はほとんどの人が、大人と一緒に暮らしているはずです。
幼少期から中学卒業までの人格形成に強い影響を与える時期に、最も長く住んでいた場所が出身地というのは、理にかなっているといえるでしょう。
転勤族にとっての出身地の定義
それでも悩んでしまうのが、転勤族にとっての出身地の定義ですよね。
私の場合、0歳~2歳まではA県、2歳~9歳まではB県C市、9歳~18歳まではB県D市、そして18歳~現在まではE県内を転々としています。
一般的に「物心がつく」と言われているのが3~4歳。
それを基準に前述の「15歳までをいちばん長く過ごした土地」で考えると、なんとC市もD市も7年なんです!
「生まれてから15歳まで」という条件にすればC市なんですけどね。
私の場合はこのように「きっちり半分」になってしまうのが悩みどころですが、中には2~3年ごとに引っ越しを繰り返した転勤族の方もいらっしゃいますよね。
そこで、最終的な出身地の定義を突き詰めてみました。
「物心ついてから長く住んだ土地の中で、自分の人生にいちばん大きな影響を与えた土地」を出身地と呼んでしまえばいいんです。
複数ある人は、上位3位ぐらいまでをピックアップした上で、以下の条件を参考にしてみるといいでしょう。
- その土地に今も付き合いのある友達が多くいる
- その土地の思い出が他の土地より多い
- その土地を拠点として、おつかいなどではなく自分の意志で出かけた場所が多い
私の場合は高校卒業までD市にいたことで、交友関係も思い出も圧倒的にD市が多くなります。そして何よりも、自分自身が「出身地はD市」というのがしっくりくるのです。
個人的には、親元にいたなら高校卒業までを含めてしまってもいいと思います。
出身地と出生地の違いは?
ここでもうひとつ、「出生地」というのがあります。
出生地は文字通り「生まれた土地」で、戸籍にも記載される「生まれた場所の住所」です。
母親が里帰り出産をしていればその土地が、隣の市で出産していれば隣の市が出生地になるわけです。
これなら転勤族でも「出生地」は明確になりますね。
「○○生まれの□□育ち」という言い回しをすることで出生地と出身地を手短に説明することができるので、自己紹介をする際の参考にしてみてください。
まとめ
- 「出身地」に明確な定義はない
- 2018年6月現在、国土交通省から明確な見解がされているわけではない
- 転勤族にとっての出身地の定義は、幼少期から15歳頃までに最も影響を受けた土地
- 出生地には明確な定義があり、戸籍に記載されている
明確な定義がないからこそ、自分の子供時代でいちばん思い出の深い土地を「出身地」と呼ぶことができますよね。
自分が出身地だと思えば、そこが出身地です。
私もこれからは胸を張って「D市出身です」と言うことにします!
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