三月は桃のお節句ですね。
女の子のすこやかな成長を祈る、節句の行事です。
そこに欠かせないのが雛人形。
雛人形は大きく分けて、七段段飾り・五段飾り・親王飾りがありますが、事情によってはそれらを飾れないご家庭もあると思います。
「転勤が多く、荷物を増やせない。」
「持ち家であってもマンションなので、収納スペースに限りがある。」
「核家族で共働きなので、たとえスペースがあっても七段飾りを何日もかけてていねいに飾る時間と人手がない。」
などなど…
ましてや雛人形は、お節句が終わったらすぐにしまわないと婚期が遅れるなどとも言われていて、なんだか焦ってしまいます。
今はそういった事情のご家庭も多くなったようで、雛人形売り場に行くと小さなドームに入った親王飾りや、動物をモチーフにした愛らしいマスコットをよく見かけます。
掛け軸やタペストリータイプも増えてきましたよね!
省スペースでかわいらしく、インテリアの一部として演出できる上にすぐにしまえます。
本来ならおめでたく楽しい行事が、家族の負担になってしまわないよう配慮されていて、とても合理的で現代にマッチしたお祝いの仕方だと思います。
小さな親王飾りやタペストリーには、ちりめんを使ったものがたくさんあります。
ちりめんを使った雛人形は和心たっぷり、素材のやわらかなイメージもあいまって、ほっこりとした雰囲気になります。
せっかくの桃のお節句、懐かしさと和みあふれるちりめんを使って省スペースで簡単に完成する、小さな雛人形を手作りをしてみるのはどうでしょうか?
✅【簡単キット】でも作っていますのでこちらからご覧ください✅
Contents
ちりめんを使った、はまぐり雛って?
ちりめんに馴染みがない方でも、風呂敷でよく使われる生地と聞くとピンとくるのではないでしょうか?
そもそもちりめんとは、「縮緬」と書き、表面は凸凹しています。
これを「しぼ」と言います。この「しぼ」がちりめんの特徴です。
「しぼ」が乱反射することによって、染め上がりの色が深く複雑な魅力を生み出します。
束ねた糸に強いひねりをかけて織るのですが、ひねりをかけることによりシワがよりにくくなるだけでなく、しなやかであたたかい風合いになります。
ちりめんといえば「絹織物」というイメージが強く、正絹だけだと思われる方もいると思いますが、最近ではポリエステル、レーヨンなどの繊維で織ったちりめん織物もあるんです。
化学繊維の生地なら、扱いやすく安価で手に入ります。
手芸店では、小さな手芸作品用に端切れのセットを作っている所もあり、小物なら端切れでコスパよく作ることができます!
今回は、そんなちりめんを使った簡単に作れる「はまぐり雛」を、みなさんに提案しようと思います!
はまぐり雛は、親王飾りだけなので、はまぐりが二つ置けるスペースがあれば大丈夫!
省スペースでコロンと丸くかわいらしく、玄関先でも邪魔になりません。
はまぐりなら、しまうのだって一瞬ですよね(笑)
作り方によっては色紙やお盆に貼り付けて、壁にかけることもできるのでさらに省スペース!
あまりに細かくて時間もかかるような雛人形だと、作るだけでも疲れてしまいますが、はまぐり雛は縫う手間がなくボンドで貼るだけ!
裁縫や手芸初心者さんでも簡単に作れちゃいます。
さらにおいしくいただくこともできます(笑)
オススメポイントがぎゅっとつまった、手作りはまぐり雛。
しっかりと準備するものや手順をご紹介します。ぜひ最後まで見ていってくださいね!
はまぐり雛を作ってみよう!
作り方をご紹介する前に、準備するものからお話していきましょう!
はまぐり雛に必要な道具
- はまぐり・置物にするなら二つ。色紙やタペストリーにするのであれば、片面ずつ貼るので一つで男雛と女雛を作ることができます。
- ちりめんの端切れ数枚・男雛と女雛に着せられるよう、最低でも青系と赤系が一枚ずつあるといいと思います。
- 和紙・顔、髪の毛、下に重ねる襟に使います。
- 金や赤の折り紙・屏風や毛氈、色紙に貼る際に使います。
- 色紙・はまぐりの片面だけを雛人形にし、貼り付けて飾る際に使います。置物にする方は必要ありません。
- 色のついた細い紐・はまぐりの周りに巻くように結びます。必ず結ばないといけないわけではありません。
- 木工用ボンド・乾くと透明になる、木工用ボンドが扱いやすいです。
- 竹串・細い部分を押し込んだり、シワを伸ばす時に使います。細い部分にボンドをつける時にもあると便利ですよ。
- 裁ちばさみ・布を切る時に使います。
- 普通のはさみ・和紙や折り紙を切る時に使います。
- 綿棒とチーク・女雛の頬紅に使いますが、なければ色鉛筆やクレヨンで代用できます。
はまぐり雛に貼り付けるパーツ
- はまぐり・身を外したはまぐりの殻を二枚にはがし、10分ほど煮沸消毒してから丸一日乾かします。なるべく天日に当ててください。
- 髪の毛にする黒い和紙二枚
- 顔にする白い紙・はまぐりの模様や色が濃い場合は、和紙や折り紙では透けて見えてしまいます。そういった場合は黒い折り紙を裏返して貼ると、模様や色が透けずにきれいに作ることができますよ。
- 表の一番上に貼るちりめん二枚・一番上に貼る面積が大きい部分は、少し大きめに用意します。
- はまぐりの裏に貼るちりめん一枚・置物にする場合には、片方を完全にちりめんで包み込むのではまぐりより大きいサイズに切っておきます。
- 襟にする和紙や端切れ三枚・一番上に貼るちりめん以外に、下に三枚くらい重ねると仕上がりがきれいです。和紙だけでなく、ご自宅で余っている端切れや、バイアステープなども使ってみてくださいね。今回は、サテン生地とバイアステープも使ってみました。
- 色のついた細い紐・今回はレザー風の紐を使いましたが、アジアンコードというタイプの紐もカラフルできれいです。紐を巻きたい方は、男雛用と女雛用に二色や、金一色に揃えるなど自由に選んでみてください。
はまぐりによって、パーツの大きさは変わってきますが、今回作った雛人形の場合のパーツの大きさを書き出してみました。
参考にしてみてくださいね!
はまぐり雛を作る手順
【顔と髪の毛を貼る】
- はまぐりにボンドを塗り、竹串で薄くのばします。
今回のはまぐりは、色が濃いので黒い折り紙を裏返して使いました。はまぐりのフチを包むように貼り付け、ボンドで裏側にも貼っていきます。
こうするとフチがきれいに仕上がります。この時に、はまぐりからはみ出した紙は縦に切れ目を入れ、重ねるように貼っていきましょう。
- 少し乾かしてから、髪の毛を貼っていきます。顔の大きさとぴったり合わなくても、着物を重ねていくので大丈夫ですよ。
【着物を着せる】
- 和紙、折り紙、端切れどれも5ミリ中に折り、はまぐりから見て右が下になるようにボンドで貼り付けていきます。
襟かけの時は顔の白い部分にうまく重ねて、はまぐりが見えてしまわないように気をつけてくださいね。
余った部分は、全て裏にボンドで貼り付けます。この時も、余った部分には縦に切れ目を入れフチが不自然にならないようにします。着物と同じように、一枚ずつ襟を合わせて着せていきます。
下に行くほど少し幅を広くなるように貼っていくと、グラデーションがきれいですよ。最後のちりめんは特にシワがよらないよう、注意しながら貼っていきます。
- 置物にする場合は、片方の殻は完全にちりめんで包み込みます。
★顔側と、背面の裏側です。
【チークを入れる】
綿棒でチークを少しとり、手の甲やティッシュで軽く余分な色をとってからはまぐりの顔に少しずつつけていきます。
チークがない方は、色鉛筆やクレヨンで色付けしてみてください。
(男雛にはチークは必要ありません)
【はまぐり雛の完成!】
置物にする場合は、二枚をボンドで貼り付けてから紐を結びます。
色紙などに貼る場合は、一枚が完成した時点で色紙に貼って完成です!
男雛も同様に、男性っぽい色の紙やちりめんで作ってくださいね。
縫う必要がないので、とっても簡単にできてしまいました。
お子さんでもチャレンジできそうな、手作り雛人形だと思いますので、ぜひご家族で楽しく作ってみてください!
はまぐり雛を飾ってみよう!
置物にする場合も、色紙などに貼り付ける場合も、はまぐりだけだとちょっと寂しいですよね。
そんな時には百円ショップで売っている、雛あられのようなポンポンやちりめんで作る小さなお花を添えてみてください。
私のオススメのお花の作り方はこちらです!
https://youtu.be/oNfOu1-69Hk
ちりめんにこだわらなくても、ご自宅にあまっている端切れでも簡単にふわふわしたお花が作れますよ。
親王飾りの置物
チョコレートが入っていた箱に、赤い和紙を貼り付け毛氈のようにしてみました。
適当な箱がない時は、赤い折り紙の上におくだけでも雰囲気が出ると思いますよ!
金屏風は、厚紙に金色の折り紙を貼り付けています。
その余った厚紙で、扇子と笏(しゃく)も作れます。これらもボンドで貼っちゃいましょう。
ちょっとだけポンポンやお花を添えるだけで、ぐっと華やかになりますね!
親王飾りの色紙
色紙もそのままでは味気ないので、裏が赤くなっているメタリックな金色の折り紙を、少し折り返して貼ってみました。
金色の折り紙を斜めに貼るだけでも、インパクトがあると思います。
こちらもポンポンとお花をボンドで貼り付けました。
穴を開けて紐を通し、壁にかけてもいいですし、このようにイーゼルに乗せて玄関などに飾ってみてもかわいいですよね。
イーゼルは百円ショップに売っています。穴を開けたくない方は、ぜひイーゼルを利用してみてください!
桃のお節句にははまぐりのお吸い物を
はまぐり雛を作る時に殻を手にいれるには、はまぐりを料理しなければいけませんよね。
バターソテー、パスタ、そのまま焼いてお醤油をたらすだけでも美味しいですが、桃のお節句に用意するならぜひお吸い物を!
桃のお節句に、はまぐりがよく使われるのはなぜかご存知ですか?
はまぐりは貝殻が必ず対になっていて、他の組み合わせでは絶対にぴったりと形が合いません。
そのため、一生添い遂げる夫婦を表し、良縁を願う縁起物としてはまぐりを使うそうです。
お吸い物の盛り付けも、身をはずしてから一枚の貝に対になるように置くと、縁起がいいと言われています。
手鞠麩や花麩を添え、三つ葉とゆずを散らしてお節句のご馳走に加えてみましょう。
美味しくいただいたあとには、殻を雛人形に変身させてあげてください。
まとめ
- ちりめんを使った、はまぐり雛って?
- はまぐり雛を作ってみよう!
- はまぐり雛を飾ってみよう!
- 桃のお節句にははまぐりのお吸い物を
現代の暮らしでは、ちょっとめんどうだったりスペースで悩んでしまうこともある雛人形。
でも、はまぐり雛なら美味しくいただける上に、簡単に作れて省スペース!
はまぐりの形によって風合いも変わってくるので、手作りのあたたかみが感じられます。
雛人形を飾る理由として、人形が厄を引き受けてくれるという説もありますから、ささやかでも用意してあげたいものですよね。
お子さんの幸せを願う思いを詰め込んだはまぐり雛を手作りして、桃のお節句を盛り上げてみてくださいね!
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