ひな祭りにはまぐりが定番なのはなぜ?お吸い物やはまぐり雛は縁起がいい?




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みなさんは、どのくらいの頻度で貝を食べますか?

我が家は夫が北海道出身なこともあり、魚介類が大好きなんです。
お味噌汁の具のリクエストを聞くと、たいがい「あさり」か「しじみ」です(笑)

貝のお味噌汁ってとっても濃厚な出汁が出て、たまらない旨味がありますよね〜!
あさりやしじみももちろんおいしいのですが、私個人的には貝の王様は「はまぐり」かなと思います。

そのはまぐり、お値段的になかなか庶民の私には手が出しにくい貝です…
あさりくらいの大きさのはまぐりなら、スーパーなどで安い時に買ってみたりもするのですが、大ぶりのはまぐりとなると相当なイベントがない限り買うことはないんです。

はまぐりが登場する相当なイベントなんてある?と思っていたのですが、我が家の子供は女の子なので、初節句から奮発して大ぶりのはまぐりを買うようになりました!
堂々と大きなはまぐりが買えるひな祭り、毎年たっぷり旨味が染み出したお吸い物を楽しんでいます。

でもちょっと気になるのが、ひな祭りにはまぐりが定番のメニューになっているのはなぜ?ということ…我が家は誰も答えられませんでした!

なんとなく気になるひな祭りとはまぐりの関係を、いろいろな角度から勉強してみました!

せっかくのひな祭り。

なぜはまぐりが行事食として定着したのかその由来をきちんと知って、さらにはまぐりをお雛様に変身させる方法を私の経験からたっぷりお話してみたいと思います!

ひな祭りにはまぐりのお吸い物を出す意味は?


まず、なぜひな祭りにははまぐりなのか?という疑問ですが、はまぐりってとても縁起のいい貝なんですよ!

はまぐりは縁起がいいと言われているワケはまぐりは縁起がいいと言われているワケ
はまぐりは二枚で一対になる貝がらを持っている、いわゆる「二枚貝」ですが、その貝同士でなければぴったりと重ならないのです。
他のはまぐりとは絶対に形が合わないため、「生涯一人の人と添い遂げる」という良縁祈願の意味があります。

また平安時代には、はまぐりの一対でしかぴったり合わない特性をいかした「貝合わせ(貝覆いとも呼ばれる)」という遊びが、上流階級のお姫様たちの定番でした。
神経衰弱のように、ぴったりあうものを探して数を競うゲームだそうです。

さらに上流階級のお姫様たちが結婚するという時には、はまぐりに美しい絵を描いたものを一年ぶんゴージャスな箱にぎっしり詰めて、嫁入り道具として持ち込んだのだそうですよ!

良縁に恵まれますように、という親心だったのでしょうか。

おいしいだけではなく、縁起がいいはまぐり。
女の子のお節句にはぴったりの貝なんですね!

はまぐりがひな祭りにぴったりな縁起のいい貝だということはわかりました…が、お吸い物にする意味はなにかあるのでしょうか?

 

 

ひな祭りにはなぜはまぐりお吸い物なの?


はまぐりがひな祭りにぴったりな縁起のいい貝であることはお話しました。

じゃあお吸い物ではなく、焼きはまぐりや酒蒸し・バターソテーなんてメニューでもいいんじゃない?
と思った私は、なぜ一般的にひな祭りにははまぐりをお吸い物にするのかもチェックしてみました♪

はまぐりの産卵期は五月から十月なので、産卵に向けて栄養をたくわえている二月から四月はぷりぷりと身が太っていて、まさにはまぐりの旬!
そして三月三日のひな祭りは、はまぐりの旬の真っ只中なんですね。

旬の食べ物は栄養たっぷりです。
はまぐりにはどんな栄養素が含まれているのでしょう?

はまぐりの栄養価はまぐりには、亜鉛・鉄分・カルシウム・タウリン・ビタミンB12などが含まれています。

特にビタミンB12は、魚介類に多く含まれていてはまぐりにもたっぷり入っています。

他にビタミンB12が多く含まれている食品は、レバーなのですが…レバーと言えば貧血予防というイメージですよね。
はまぐりなどの二枚貝にも多く含まれるビタミンB12は、疲労回復などの手助けもしてくれるんですよ!

タウリン、よく聞く単語ですがお酒を飲んだあとの肝臓にも、老化予防にもいいというアミノ酸の一種です。
はまぐりにはタウリンも多く含まれていますので、お酒を飲みすぎた大人にも嬉しい食材ですね!

もっとしっかりと、はまぐりの栄養価を見てみたい!という人は、文部科学省の日本食品標準成分表にある「魚介類」の項目を参考にしてみてください!
日本食品標準成分表-文部科学省-
はまぐりの優秀さにびっくりすること間違いなしです♪

なぜお吸い物にするの?

なぜお吸い物なのか?には諸説あるのですが一番有力なのは、はまぐりの栄養を一滴も漏らさず頂けるのには、お吸い物がベストだ!というもの。

確かにやきはまぐりも酒蒸しもとってもおいしいのですが、あっつあつに煮えた焼きはまぐりからこぼれ落ちる汁を全てすくいとって口に運ぶ…というのは、ちょっと難しそう。

そこでお吸い物なら、汁に溶け込んだ栄養をまるっと全部頂けちゃう!という、先人の知恵が詰まった食べ方なんです。

贅沢に栄養が溶け込んだお吸い物を、大切に頂く…やはり行事食には、それぞれ意味があるんですね。

 

 

はまぐりのお吸い物の作り方♪

それでは、肝心のはまぐりのお吸い物についてもお話していきましょう!

貝のお吸い物は、貝自体からとっても濃厚な出汁が出るのでけっこう簡単にできちゃうんですよ♪

材料

  • はまぐり:大ぶりのもの3つ
  • 昆布:5センチ角の昆布
  • 塩水(砂抜き用):300mlに塩小さじ2程度
  • 水(お吸い物用):500ml程度
  • 酒:大さじ1
  • 塩:ひとつまみ
  • 薄口醤油:適量
  • お好みで、花麩・手まり麩・三つ葉か菜の花・ゆずの皮などのトッピングも用意する。
  • お麩類は水で戻し、三つ葉はさっと熱湯に通しておく。
  • ゆずの皮は細かく刻んでおく。

作り方

  1. はまぐりを塩水にひたし、最低でも三時間ほど(できれば一晩)塩抜きをする
  2. ボウルにはまぐりを入れ水(材料外)をはり、中で貝同士をこすりあわせるように洗う
  3. 水を鍋に入れ、昆布とはまぐりを入れ弱火から中火程度で加熱する(強火で沸騰させてしまうと、白く濁りすぎたり身が固くなるので注意)
  4. 白いアクが出てきたら、ていねいにすくっていく
  5. はまぐりの口が開いたら、いったん火を止めて皿などにはまぐりを取り出す
  6. また弱火から中火にし、沸騰する直前に昆布を取り出す(昆布は煮込んでしまうとえぐみが出てしまう)
  7. 沸騰したら火を弱め、酒と塩を入れてから少しずつ薄口醤油を足していく(貝の塩気で醤油は必要なければ省く)
  8. 味が整ったら、お椀にはまぐりとトッピングを盛り付け、静かに汁を注いで完成!

これでお吸い物は完成です!

けっこう簡単ですよね。

そしてひな祭りにお吸い物を作るなら、縁起のいい盛り付け方があるって知っていましたか?

ひな祭りに縁起のいいはまぐりのお吸い物の盛り付け方

去年のひな祭りの時に、我が家で作ったはまぐりのお吸い物の写真を例に盛り付け方を説明していきますね♪


はまぐりを普通にお椀に入れるだけでもいいのですが、ひな祭りということでさらに縁起のいい盛り付け方にもトライしてみてください!

  • この画像のように、開いたはまぐりの貝殻のあいている方に、他のはまぐりから外した身も乗せましょう。
  • 二つの身が、仲のいい夫婦のように見えるので良縁・夫婦和合の意味があるそうです。

せっかくのひな祭りですから、盛り付け方にも一手間加えてみてはどうでしょうか。

 

 

食べた後は貝殻をはまぐり雛に!作り方は?


ひな祭りのごちそうに、はまぐりのお吸い物を添えて楽しくお祝いしてたっぷりおいしいものを頂いたら…

はまぐりの貝殻を使って、ちょっと工作をしてみませんか?

このサイト内で、はまぐりを使った「はまぐり雛」の作り方を画像とともに解説しています!
雛人形を手作り!!作り方をちりめんで解説!!和心溢れるはまぐり雛を紹介!!
材料もシンプルで、作り方も簡単です。

私自身も滅多に買えない大きなはまぐりの貝殻をこのまま捨ててしまうのはもったいないな…と、思い切ってはまぐり雛に挑戦してみたのですが、とっても簡単にかわいく仕上がりました♪

ハサミを使える子供と一緒に、なんていうのも楽しそうですね。
せっかくのはまぐり。捨てるところなく堪能してみるのもいいかもしれません!

まとめ

  • ひな祭りにはまぐりのお吸い物を出す意味は?
  • ひな祭りにはなぜはまぐりお吸い物なの?
  • はまぐりのお吸い物の作り方♪
  • 食べた後は貝殻をはまぐり雛に!作り方は?

「ひな祭りにははまぐりのお吸い物」と、なんとなく意識してなんとなく作っていた私ですが、改めて勉強してみるとなかなか奥が深いな〜と驚きました。

行事食って、必ず素敵な意味や栄養をきちんととる工夫が盛り込まれているんですね。

今年はしっかりはまぐりを使う由来や栄養価も意識しながら、子供にちょっと豆知識として披露したりしつつ、はまぐりのお吸い物に楽しく華やかなひな祭りの食卓を彩ってみたいです。

一年に一回しかない、豪華なはまぐりを買えるチャンス!
その背景に感謝しつつ、ありがた〜く栄養も縁起の良さも頂いてみようと思います。

 

 

 

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ふじもとつるり

ふじもとつるり

服飾科で裁縫の基本とデザインについて学び、卒業後は創作小物の製作・販売を経て一児の母になりました。今はライターとして、仕事と子育ての両立に日々奮闘しています! 趣味は手芸と製菓。それらの経験をいかした、子育て中ならではの目線の記事をみなさんにお届けできるように頑張りたいと思います。

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