ひな祭りといえば菱餅!その由来やなぜひし形なのか?色には意味がある?




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三月に入ると、気候もぐっと春らしくなってきますね。
あたたかい日も多くなり、春らしくかわいらしい花が咲き始める頃です。

春の雰囲気いっぱいの三月の大イベントと言えば、ひな祭りですよね!
雛人形のイラストや写真を使ったポスターをいたるところで見かけます。

我が家にも娘がいるので、初節句の時には大騒ぎでした(笑)
その時には、わざわざ近所の和菓子屋さんに菱餅を作ってもらって飾ったものです。

それから毎年ずっと菱餅は和菓子屋さんにお願いしているのですが…とうとう娘に「なんでお餅がこんな形なの?」と聞かれてしまいました!

さらに、「お餅って白いものなのにピンクなのはなんで?」と質問攻め…

ところが、我が家では誰もその質問に答えられず、去年は「かわいいからじゃない?」なんてごまかしてしまいました(笑)
今年はもう少しお姉さんになったので、もうごまかせなさそう!

この機会に、ひな祭りに菱餅を飾る由来や、その色や形の意味など…たくさん調べて娘の質問攻めにそなえてみたいと思っています!

今この記事を読んでいる、私と同じ菱餅ビギナーの方にも、わかりやすくお伝えできたらいいなと思います♪

ひな祭りに菱餅を食べるのはなぜ?その由来や意味って?


ひな祭りに菱餅の由来を紐解いていくと、中国の影響がとても強いことがわかってきました。

そもそも日本の行事は、子供の日や七夕祭りなど中国から伝来したものが多く、ひな祭りもその一つなんですね。

中国では「上巳節」という、三月の最初の巳の日に厄払いをする行事がありました。
その際には「母子草(ははこぐさ)」という草を入れたお餅を食べるならわしもあったそうです。
これが、形は違いますが菱餅のもとになったのでは?と言われています。

「母子草」のは日本でもおなじみの、春の七草のひとつである「御形(ごぎょう)」のこと。

それが日本に伝わった時に、母子草を用いるのは「母と子をついて餅にする」という意味にもとらえられ、その語呂が縁起が悪いと嫌われ、よもぎを使うようになったのではないかという説が有力です。

母子草もよもぎも病気の予防、解熱や解毒の効果があるとされ、薬としても使われていました。

それだけではなく、よもぎはとても香りの強くインパクトのある草です。

昔から香りの強い草木は「邪気を払う力がやどっている」と言われているので、ひな祭りによもぎ餅や草餅を食べる地域があるのもその名残なのかもしれません。
いまでも地域によっては、よもぎではなく母子草で草餅を作るところもあるそうですよ!

そしていつしか上巳節が三月三日に制定されると、当時上流階級の人々の間で人気だったひな遊びと、お人形で遊ぶおままごとがミックスされ、今でいうひな祭りへと発展していったのです。

これが、菱餅とひな祭りのもととなったお話です!

 

 

菱餅はなぜ「ひし形」なのか?


ひな祭りに菱餅を食べる由来については、理解できた気がします!

でも、そもそもの形はひし形ではなかったのです。

中国からはるばる「上巳の節」が伝わってきた、平安時代には宮中に出入りしていた裏千家の茶人と、白くて薄い丸餅と小豆で染めあげた赤い菱
形を作っていた菓匠の合作「菱葩餅(ひしはなびらもち)」となったという説があります。
その赤い菱形の菱葩餅が、現在の菱餅のひし形のもとだということですね。

そのほかにも、室町時代に全盛期の足利家が、お正月に食べていたお餅が白と赤のひし形だった事や、家紋として使われているひし形が使われたのではないかとも言われています。

ひし形になった経緯には、このように諸説ありますが、ひし形にこめられている意味はこちらです!

長寿を願う意味人の形に似た菱の実を食べて、千年生きた仙人がいたという伝説から、長寿の象徴としてひし形になった。
心臓の象徴としての意味風水でひし形は心臓を表しているので、健康祈願の意味をこめて。
大地を象徴する意味菱餅それぞれの色が自然の摂理を意味していて、それをまとめて菱餅をひし形にすることで、広大な大地を表現している。
子孫繁栄という意味菱はとっても繁殖力のある力強いものなので、それにあやかり子孫繁栄を願ってひし形になった。

 
ひな祭りに食べる菱餅は、これから一年の間大切な子供を守る食べ物です。

こういった縁起のいい意味合いがこめられているため、ひし形の菱餅が定着していったんですね!

 

 

ひし餅に使われている色にはどんな意味があるの?


菱餅のこと…だいぶわかってきました!

ひし形って、とっても縁起のいい形なんですね。

これくらい理解しちゃえばもう子供からの質問も怖くない!と思いましたが…あれ?なんで菱餅って三色なの?
そんな疑問もわいてきました!

子供の目線はするどいですからね、きっと色についても聞かれるのではないでしょうか?
ここまできたら、色についても調べないわけにはいきませんね〜!

緑一色の草餅の団子のようなものだったものに、白い菱の実を入れたお餅を組み合わせたもの…つまり緑と白の二色が江戸時代初期に登場します。
この二色のお餅を、「緑・白・緑」の三段や、五段にしていたんだそうです。

その二色だった菱餅も、明治時代になると「クチナシ」の赤を入れた三色になり、今のような菱餅の原型ができあがります。
赤は魔除けの色として重宝されている上に、おめでたい色でもあります。

そして、赤とはいえお餅に加工するとほんのりかわいらしいピンクになるので、それが桃の花のようで「桃の節句」にもぴったりです。

さらにこの三色には、それぞれ諸説ありますがとってもおめでたい縁起のいい意味もあるんですよ!

緑(よもぎ)若草が萠ゆる春の芽吹きのイメージ・健康・魔除け
白(菱の実)清浄(ピュア)・長寿・子孫繁栄
ピンク・赤(クチナシ)解毒・魔除け・桃の花のイメージ

こんな意味合いのある三色を、ひし形に重ねることによりさらにおめでたくひな祭りのお祝いにふさわしい形になったものが、今の菱餅なんですね!

この三色の重ね方の順番ですが、大きく二パターンがあるようです。

  • 下から白→緑→赤(ピンク):真っ白い雪の中から新芽が芽吹き、桃の花がぱっと咲いている。
  • 下から緑→白→赤(ピンク):純白の雪の下に、新芽が芽吹きはじめ、桃の花が咲いている。

どちらも春爛漫、華やかでひな祭りにぴったりの意味合いですね!

順番については地域によっても違うようですが、私がよく見かけるのは緑が真ん中のものが多い気がします。
お店や地域によっていろいろと変わることもあるでしょうが、先ほどお話した二パターンのイメージを想像すると、どちらもとても素敵ですよね♪

 

 

菱餅の食べ方が知りたい!


菱餅を食べる前に…まずは、お雛様にお供えしなければいけませんね。

そして大切なことは、お雛様は三月三日以降すぐに片付けます。
菱餅も三月三日にお供えしたら、すぐに下げてみんなでおいしくいただきましょう!

菱餅、と名前がついていますがその中身はお餅ですので、特にこれ!という食べ方はありません。
お好みの味付け、食べ方で問題ないようです。

ですが、ちょっと覚えておきたいポイントがあります!
菱餅の角を手でちぎって食べると、「角が立たず丸くおさまる」と言われているんです!

特に手でちぎることにこだわりすぎず、包丁で切っても意味合いは変わりませんので、あまりかたく考えずに「角をとって食べる」ということを意識するといいかもしれませんね♪

調理の方法は、普通のお餅と同じように考えればよさそうです!

  • ふっくらと焼いて、手でちぎって砂糖醤油につけて。
  • 肌寒い季節ですから、ぜんざいやお雑煮の中に入れて。
  • 変わったところでは、チーズや具材を乗せて餅ピザにしたものを、みんなで角を丸くちぎりながら食べる!

などなど…それぞれのお好みの食べ方で、縁起のいい菱餅をいただきましょう!

菱餅を簡単な材料で手作りしてみよう!


すっかり菱餅マスターになれた気がしている私ですが…(笑)

毎年和菓子屋さんで買っている菱餅とは別に、今年は簡単な材料で手作りにも挑戦してみたくなってきました!

菱餅としては、ちょっと変わり種のスイーツにアレンジしたレシピをいくつかピックアップしてみました!
みなさんも次のひな祭りでは、手作り菱餅スイーツでお祝いの席を彩ってみませんか?


上新粉と白玉粉を使った、スタンダードな菱餅の作り方ですが、カラフルでとってもかわいいです!
よく動画をみてみると、そんなに難しくなさそう!
三色以外にもアレンジしちゃう…なんていうのも楽しそうですね♪


こちらは、ういろうを菱餅に見立てるレシピ。
レンジでできちゃうので、子供と作っても危険がなさそうでトライしやすいですね!


私が絶対に挑戦したいのがこちらのレアチーズムース!
菱餅の三色はしっかりおさえつつ、おしゃれなスイーツに変身しています!
ちょっとしたおもてなしメニューにもなりそうです♪

みなさんが作りたくなるようなレシピはあったでしょうか?

まとめ

  • ひな祭りに菱餅を食べるのはなぜ?その由来や意味って?
  • 菱餅はなぜ「ひし形」なのか?
  • ひし餅に使われている色にはどんな意味があるの?
  • 菱餅の食べ方が知りたい!
  • 菱餅を簡単な材料で手作りしてみよう!

ひょんなことから調べ始めた、ひな祭りと菱餅についてですが、勉強してみるととっても興味深い内容ばかりでした!

元をたどれば中国から…そして、色や順番や形にもしっかり意味があるんですね。
ここまで学べば、娘に質問攻めにされても死角はないでしょう(笑)

子供に説明できるようにというきっかけでしたが、結果的に自分自身の知識も豊かになった気がします♪

華やかでかわいらしいイメージのひな祭りの菱餅。
今までのトラディショナルな菱餅に加えて、手作りスイーツにもトライしつつ、その伝統の重みもしっかり感じ取りたいと思います!

みなさんも意外と奥が深い菱餅についてのあれこれ、ひな祭りパーティーのちょっとした話題にいかがですか?

 

 

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ふじもとつるり

ふじもとつるり

服飾科で裁縫の基本とデザインについて学び、卒業後は創作小物の製作・販売を経て一児の母になりました。今はライターとして、仕事と子育ての両立に日々奮闘しています! 趣味は手芸と製菓。それらの経験をいかした、子育て中ならではの目線の記事をみなさんにお届けできるように頑張りたいと思います。

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